ロッシに挑んだMOTOBOT
2017年に公開された動画で、ヤマハの持つモーターサイクル技術とロボティクス技術を組み合わせた、サーキットを自立走行するロボットがバレンティーノ・ロッシとラップタイムに挑むというものです。
2015年の東京モーターショーで発表された人型ラインディングロボットであるMOTOBOT。
自らバイクを操縦してサーキットを走行するロボットで、当時現役だったロッシのタイムを超えることを目標に開発が進められました。
それから2年が経過し、MOTOBOTはver2に進化し、ロッシとのタイムラップバトルの映像が公開されたのです。
結果的には勝てませんでしたが、凄い進化を遂げていますね。
自動車の自動運転技術開発が進められていますが、バイクでも自動運転技術もすごい進んでいるのですね。
正直、MotoGPライダーと勝負できるほどに開発が進んでいるとは思いませんでした。
まだまだ、改善の余地はあるでしょう。バイクを操るための重心移動や体重のかけ方は人間には勝てないようです。
ロッシとMOTOBOTの比較画像を見るとバンク角が足りていません。寝かせれば早いとは限りませんが、人間に近づければもっと速くなると思います。
トップクラスのライダーになるとコーナーの侵入でリアタイヤのグリップを失っていたり、立ち上がりで無理やり開けるので荷重移動が重要です。
MOTOBOT自体は動かないため、この課題をどうクリアしていくのか楽しみですね。
MOTOBOTの特長
MOTOBOTは、自動車の自動運転とは異なり、バイク本体は改造せず、ヒト型のロボットがバイクを運転するところにあります。
スピード、エンジン回転数、姿勢などの情報をもとに搭載したアクチュエータが制御し、自律的な運転を行うとのこと。
将来的にはGPSや機械学習により、サーキットコースの最適ラインやマシンの限界をMOTOBOTOが判断できるようにし、ラップタイムの向上を狙うそうです。
まるで、MotoGPライダーのようですね。
高速走行できるバイクは、安全を確保しながら、設計を完璧に進めるため、厳格なテストをクリアしなければなりません。
しかし、人間のライダーが高速のバイクをテストするのはリスクが伴ってきます。MOTOBOTが完成すれば、今後の設計と安全に寄与することになります。
また、テストの結果からバイクのパフォーマンス向上につながるデータが得られれば、サーキットの最速ラップ更新にもつながるでしょう。
動画の公開から5年経過しているので、引き続き開発されているのか不明ですが、ぜひ現在のMOTOBOTが走っている姿が見てみたいです。
もしかすると、荷重移動の課題はクリアして、MotoGPを走るトップライダーよりも速くなっているかもしれません。